温かい音楽の会とは

〔趣旨〕
物質的な豊かさを目指した昭和を経て、平成に入り暫く心の豊かさへの気運も高まってきました。精神的なうるおいや自己実現を目指しての生きがい作りも盛んに行われるようになりました。そしてその過程をとおして人々は“人と人とのつながりの大切さ”を強く感じるようになってきました。つまり「たったひとりでの自己実現」は“一時の達成感”は得られても“人生を充実させる幸せ感”は得られないことに多くの人々が気づいたのです。
“人生の幸せ感を得られる音楽”とは即ち“人と人とをつなぐ音楽”と言えます。それを「温かい音楽」と呼び、地域に温かい音楽を根付かせる活動をとおして、真に心豊かな街作り村作りを行っていく必要があります。「温かい音楽」という言葉が本NPOの第一のテーマです。

また、現代における重要課題のひとつに“世代断絶の危機”があげられます。その要因として“若い世代の地方離れ”や“核家族化”がありきすが、結果として“大人・高齢者の知恵が尊敬の念を持って若者・子供に伝えられていない”という大きな弊害を招いています。何故若者は地域を捨てて都会へ向かうのでしょうか?それは地域の未来に希望が見出せないからであり、都会のほうが魅力的に見えるからです。この傾向は断じて看過してはなりません。地方に生きる大人・高齢者がいまこそ奮起して魅力ある地域作りに立ち上がらねば、愛する地域はいずれ埋没し、寂れていくかもしれません。
この地域の大人・高齢者の皆さんにはぜひ「温かい音楽」の活動に生き生きと取り組み「輝く大人」になっていただきたいと思います。この「輝く大人」という言葉は本NPOの第二のテーマです。地域の大人の皆さんが生き生きと温かい音楽活動に取り組み輝く毎日を送り人生を謳歌することによって、この地域で“生きていく”ことが魅力あるものになります。それは次代を担う子供・若者への大きなメッセージとなることでしょう。

温かい音楽の会は、単に音楽を行う団体ではなく、「輝く大人」が「温かい音楽」の活動を行って“人と人をつなぎ、次世代へつながる活性化”をめざすものとなります。“つなぐべく人と人”とは、あらゆる“立場の違う人同士”であり、つまり高齢者と若者はもとより、健常者と障害者なども含み、また、小さくは音楽人同志、音楽的レベルの高い者と音楽初心者をつなぎ、また、大きくは民族や宗教の立場の違いも超えてあらゆる人同士をつなげることにほかなりません。

地域における活動としてはまず、温かい音楽による“社会的弱者に対する社会貢献”と“それを行う者の育成とネットワーク作り”を目指します。つまり、高齢者や障害者、また貴重なる子育てに格闘する若い母親(ママ友)の皆さん、など、温かい音楽を最も必要としていながら、自らのみでは行いにくい方々への温かい音楽の提供というボランティア活動を推進し、ボランティア活動を行う者の育成に取り組み、そのネットワーク形成を行います。
とくに高齢者を対象とする温かい音楽のボランティア活動は真っ先に充実を図ります。デイサービス施設や老人ホームへの慰問演奏活動のほか、過疎地・限界集落への温かい音楽での訪問活動などを行政や施設などと協力して行います。

次に「“輝く大人の音楽家”同士をつなぐ温かい音楽」としての“温かい音楽・輝く大人の市民オーケストラ”を行います。地域音楽家の活動が“それぞれによる孤独な戦い”となっては活動が後世に継続されません。初心者からベテランまでがのびのび楽しめるように工夫された市民オーケストラを行うことはNPO活動継続の重要な核心部分となります。
また「ボランティア演奏者の集い」や「地域コンサートサロン」などの発表演奏会を開催し、地域音楽家同士の相互交流や研鑽・情報交換の場を提供します。

地域から全国へ目を向けたとき、この上越が“少子高齢化最先端の地域”であることに気づかされます。つまり、この地域の現在は、全国の未来の姿であると考えられるのです。この地域の現在を温かい音楽に満ち溢れたうるおいある地域に出来たなら、それを全国に発信して、上越が全国のモデル地域となることが出来ます。それはこの地域が“辺境”ではなくなり温かい音楽の“メッカ”になることを意味します。
具体的には“輝く大人の音楽祭(大人・高齢音楽愛好者の祭典)”を開催して全国から参加者を募り、コンサート(発表演奏会)のあと地元の地域音楽家と祝杯をあげ交流を図る、などの事業を行います。このような活動は地域の観光振興とも価値観が一致し、地域の活性化へつながるものと期待出来ます。
又、温かい音楽による平和メッセージの発信や地球環境保護へのアピールなど、上越から全国、世界へと発信する多くの事業を行い、“地方における輝く大人の温かい音楽生活”が若者から見て魅力あるものとし、地域の若者・全国の若者がこの地での生活に希望が持てるようにします。

これらの活動は、来たる地方分権達成時に予想される地域間競争の荒波に対抗する有力な手段となるでしょう。遅かれ早かれ地方分権は達成され、地域のことは地域住民が自らの責任で自由に決めていく時代がやってきます。しかし、それは“魅力ある地域作りを怠ったところは地域間競争に敗れて寂れていく”という意味でもあります。その自覚を持たず、このまま手をこまねいて地域からますます若者が離れていっては手遅れになってしまいます。地域の音楽家はいまこそ「温かい音楽」の活動で「輝く大人」になり、一致団結してこのNPO法人の活動を充実拡大させていくべきです。

ふるさと越後・温かい音楽の会はこれらの理念に基づき、さまざまな事業をとおして“次世代に受け継がれる、温かい地域社会作り”を目指します。


特定非営利活動法人 ふるさと越後・温かい音楽の会
理事長 中村 真二